【君の知らない君の僕】1〜僕がひねくれた理由〜それより僕が伝えたいのは〜
※ 明るい話ではないので、湿っぽい話を読みたくない人は読まないでください。
これは、fellowsの日記に載せたものです。
あれは、僕が小学1年生のある夏の日の出来事だった。
僕は近所の子供達5人くらいと遊んでいた
(そこに弟も含まれていた)。
みんなで蝉を捕まえに虫捕り網(タモ)を持ち、虫カゴを首からぶら下げて出かけた。
何故か知らないけど、いじめられやすいのか、僕だけハバにされていた。
しょうがないので、
僕は1人でセミを捕まえることにした。
近所の神社に行った。
でも、1人ではなかなか捕まえられなかった。
神社から出て直ぐの道端で、僕をハバにした人たちとすれ違った。
その中には、3歳年上の近所のお兄ちゃんもおり、みんな虫かごいっぱいにセミを捕まえていて、僕に自慢げに見せてきた。
ムカつく笑顔で。
子ども心ながら、鬱陶しいなと思った。
そして、そのセミをどうするか何気なく遠くから見ていたら、
近所の空き地の土を、みんなで掘っていた。
そして……
生きたままのセミを埋めていた。
その人たちは笑いながら去っていった。
僕は、それが許せなかった。
僕をハバにしたあげく、みんなで捕まえてきたセミを、生きたまま埋めることが許せなかった。
セミがかわいそうだと思った。
だから、みんながいなくなったのを見て、僕は1人でセミが埋まっている土を掘って、セミを助けた。
まだ生きていたから、たくさん逃がしてあげた。
一匹だけ、飛べずにいた。
セミの体に付いている土を払った。
僕は、僕の虫かごにそのセミを入れてあげた。
そして、僕は1人帰宅した。
……
玄関を開けた、すぐ目の前に母親がいた。
僕は、せめて母親だけにでも
セミを捕まえたことを、褒めてもらいたかった。
それだけで救われると思った。
ただ褒めてもらいたかった……。
たったひとりの味方
だと思って。
『セミ捕まえたよー。見て~』
っと、僕はセミの入った虫かごを見せながら嬉しそうに言うと、母親は、
『あっそぉ!歯を食いしばれ!』
バシッ❗️
いきなり僕の頬に思いっきりビンタしてきた。
頭がクラクラして目の前が真っ白になった。
その目の前が見えない状態で、言葉だけが聞こえてきた……
『人の物を取るなんて、泥棒だ!セミを盗んだことを聞いたぞ!』
って言われた。
それからの記憶はない。
ただ、僕は幼かったし、理由を言葉で言えなかった。
僕が悪かったんだと、ずっと毎日毎日自分で自分を責め続けた……
ただ、わかるのは、おそらく陰に隠れて、僕の様子を他の子供たちが見ていたんだろう。
そして、それをうちの親に言ったんだろうと思う。
そういう星のもとに生まれてきたんだと、そのとき子供ごころながら思った……
今でもセミが鳴くと、その記憶が蘇る……
自分が大きくなってから考えても、あのときの僕は悪くないと
今でも
思う。
理由を聞かずにいきなり殴る親が信じられない。
自分の子供を信じてくれなかった親が信じられない。
こういうことは、この限りではない。
父親からも、理不尽な扱いをされていた。
親のせいにしては行けない。
でも、理由というものがあるならば、
そこから、僕の性格がひねくれてしまったことが始まったのかもしれない……